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12月, 2018の投稿を表示しています

当ブログの閲覧にあたって

【ディーヴァな土曜日】不完全さを肯定するポップスター、Ariana Grande

Ariana Grandeはニコロデオンのアイドル的存在として2013年にデビューして以降、紆余曲折ありながらも実に珍妙なキャリアを歩んできた。そんな彼女はいまや最も重要なポップスターの一人である。単純に記録だけを見ても、先日リリースされた最新作『thank u, next』からの3曲がBillboard Hot 100でTOP3を独占するというThe Beatles以来の快挙も成し遂げている。 Ariana Grandeは他のポップスター達とは一線を画す、勇敢で、奇妙で愉快な、思慮深い人間味のあるポップスターである。この5年間、彼女は私たちに様々なことを教えてくれたが、その中で最も重要なメッセージは 「時に間違いを犯しても構わない。完璧でなくて良い。でも自分に正直であれ」 ということだった。 完璧を求められる女性ポップスター 女性のポップスターとして大成するには「完璧」でなければいけない、そう私たちは思い込まされてきた。それはMadonnaやBeyonceにしても、もしくは2010年代を代表するポップスターTaylor Swiftにしてもだ。常にヒット曲を出し続け、若々しいルックスを保ち、完ぺきなパフォーマンスをし、政治的社会的思想すべてにおいて尊敬できる行いをする「フルパッケージ」な存在であることがメインストリームで活躍する女性には求められてきた。もしも彼女たちがそこから一歩でも踏み外せば、途端に批判にさらされる。私たちはそんな例をいくつも見てきた。 そうしたフルパッケージなポップスターと一線を画すアーティストとしてRihannaが思い浮かぶかもしれないが、実は彼女こそ「完璧」なアーティストである。彼女には一切隙がない。「Rihannaを批判することで、逆にその人のブランドが傷つく、もしくは思考の浅はかさが露呈される」という次元にまで自分のブランドを構築してきたアーティストがRihannaである。では本当に「完璧」でなければいけないのだろうか。インディーでは、良いアルバムさえリリースできれば、完ぺきであることは求められない。メインストリームでの地位を確立したヒップホップ・アーティストにはむしろ完ぺきさが求められていない。その隙や弱さ、時に犯した過ちが逆にアーティストの魅力ともなり得る。 Ariana Grandeが2013年に、"T

The 50 Best Albums of 2018 (10位→01位)

Risky Alternativeが選ぶ2018年のベスト・アルバム50枚。10位から01位まで。 10. Mitski - Be the Cowboy Mitskiの『Be the Cowboy』は代々続いてきたロックのマナーを守って美しく奏でているようで、捻くれていて奇妙に歪んでいる。ほとんどの曲が2分程度で終わるこの作品では、日系の女性として抑圧されたてきた怒りの感情が突然解放され、様々な欲望が沸々と湧き上がっては消えていく。この作品は前作『Puberty 2』とは全く異なる作品である。様々な国で育ってきた彼女の絶望的に孤独な感情は私たちの胸に音を立てて突き刺さる。なのに、彼女はどこかドライで冷静に物事を捉えているように思える。 09. Teyana Taylor - K.T.S.E. Kanye Westの一連のワイオミング・プロジェクトで最も過小評価されてるアルバムはこれだという持論を残すためにこの記事を書いていると言っても過言ではない。"Keep That Same Energy"の略であるこの『K.T.S.E.』は強気で向上心の強いTeyana Taylorのスター性を証明するものであり、クラシックなソウルミュージックのサンプリングを駆使して最高のR&Bソングを生み出してきたあの頃のKanye Westのプロデューサーとしての才能を再び思い出させてくれる。Teyana Taylorの性に対して貪欲な姿勢は清々しいほどであるが、ドラァグ・クイーンのラッパーMykki Blancoを迎えたダンスフロア・バンガー"W.T.P."は間違いなく今年最高の瞬間の一つだった。 08. Rico Nasty - Nasty HBOドラマ『インセキュア』で使用されて話題を呼んだ昨年のシングル"Poppin"を経て、メジャーレーベルから初のリリースとなった『Nasty』は、パンチの効いたアグレッシブなフロウから、歌うように甘くするラップまで "Trap Lavigne" と自称するのも納得のパンクな女性ラッパー像を確立している。Tay Keithの活躍の裏で今年最も飛躍したHIP-HOPプロデューサーの一人であるKenny Beatsによる先鋭的なエレクトロ・ト

The 50 Best Albums of 2018 (20位→11位)

Risky Alternativeが選ぶ2018年のベスト・アルバム50枚。20位から11位ま 20. 6LACK - East Atlanta Love Letter 2016年にリリースされたデビュー作『FREE 6LACK』は以前のレーベルとの契約上のゴタゴタから生まれた作品だった。しかしそれから2年を経て、アンダーグラウンドな存在から有名アーティストの仲間入りした彼の新作『East Atlanta Love Letter』のテーマは、父親となった6LACKが語る現在の愛の物語である。アトランタ出身のR&Bシンガーである6LACKのコアにはヒップホップがあり、トラップミュージックの影響も垣間見えるが、その全体像はR&Bなスロージャムで統一されている。The WeekndやDrakeが置き去りにしていったPBR&Bの断片をつかみながら、彼はよりパーソナルで現代的なムードを携えて自分の脆さをさらけ出している。 19. Mariah Carey - Caution 通算15作目となるMariah Careyの『Caution』は、彼女史上最高傑作なわけではない。ここ10年の作品を振り返ってもそれぞれのアルバムに音楽的なコンセプトがあり、常に彼女は「Mariahらしさ」と先鋭的な最新のR&Bサウンドを追い求めてきたのだから。それでも自身の 双極性障害 を明かし、あまり公に語ってこなかった 自身の曖昧な人種 について抱えていたコンプレックスについても語った彼女は再び力強く前に踏み出そうとしている。"All I Want for Christmas Is You"のレガシー、ソングライターの殿堂へのノミネーションなど彼女への再評価がその彼女の決意と重なった2018年は、彼女のキャリアにおいて転換点となるだろう。その重要なタイミングで生み出されたこの作品は、様々なプロデューサーを迎えた意欲作であると同時に、改めて彼女のヴォーカリスト・ソングライターとしての才能を証明した抜け目ない小作品である。 18. Noname - Room 25 2016年のデビュー作『Telefone』で注目を集めたシカゴのラッパーNonameは、前作で証明したその才能を確固たる自信に変えて、この『Room 25』を生み出し

The 50 Best Albums of 2018 (50位→21位)

Risky Alternativeが選ぶ2018年のベスト・アルバム50枚。50位から21位まで。 50. XXXTentacion - ? 49. Camila Cabello - Camila 48. Lil Baby & Gunna - Drip Harder 47. Chilly Gonzales - Solo Piano III 46. Denzel Curry - TA13OO 45. Kanye West & Kid Cudi - Kids See Ghosts 44. Years & Yers - Palo Santo 43. City Girls - Girl Code 42. Playboi Carti - Die Lit 41. Miguel - War & Leisure 40. Pusha T - Daytona 39. Rita Ora - Phoenix 38. Mac Miller - Swimming 37. J.I.D. - DiCaprio 2 36. NAO - Saturn 35. Joey Purp - Quarterthing 34. Christine and the Queens - Chris 33. SOPHIE - OIL OF EVERY PEARL'S UN-INSIDES 32. Jay Rock - Redemption 31. Vince Staples - FM! 30. Charli XCX - Pop 2 29. Lil Peep - Come Over When You're Sober, Pt. 2 28. THE CARTERS - EVERYTHING IS LOVE 27. Shame - Songs of Praise 26. Earl Sweatshirt - Some Rap Songs 25. Snail Mail - Lush 24. Shawn Mendes  - Shawn Mendes 23. Sheck Wes - MUDBOY 22. Arctic Monkeys - Tranquility Base Hotel &

The 100 Best Songs of 2018 (10位→01位)

Risky Alternativeが選ぶ2018年のベスト・ソング100曲。10位から01位まで。 10. Robyn - Honey Produced by Robyn, Joseph Mount & Klas Ahlund 2010年代を代表する名曲"Dancing On My Own"とともに今後語り継がれていくことになるだろう"Honey"は、「キャッチーなポップソング」のさらに先を見据えた神聖で官能的なご馳走である。"Honey"には様々な意味がある。文字通りの蜂蜜を意味するときもあれば、愛する人を呼ぶときに使われるような日常的な言葉であると同時に、宗教に深い関りを持つ神秘的な物質であることも知られている。そしてこの曲には"Honey"の持つすべての意味が内包されている。よりむき出しの成熟した感情を乗せて、ダンスフロアにエクスタシーを持ち込む彼女の歌は甘く輝いている。 09. Janelle Monae - Make Me Feel Produced by Mattman & Robin イントロを聴いた瞬間から身体が疼き始める。クリエイティヴなR&Bを奏でてきた彼女が、遂に音楽的な面だけでなく「自分自身」をも解放した瞬間だった。Janelle Monae史上最もキャッチーなこの曲はJulia MichaelsとJustin Tranterがソングライターとして参加しているが、彼女は新たに掴み取ったそのポップさを「グレーな」価値観の象徴として扱っている。今作の最大のインスピレーションであるPrinceもそうであったように、彼女はLGBTQの黒人女性である自分自身を祝福するとともに、シロクロつけることなど不可能な複雑な社会の多様性を祝福している。そのポップな快感から誰も自分自身を押さえつけることなどできなくなるのだ。 08. Khalid feat. 6LACK & Ty Dolla $ign - OTW Produced by BlueySport, Cashio, Nineteen85 & Brian Alexander Morgan ティーンの声の代弁者Khalidは今年もMartin GarrixやN

THROWBACK TO 10 YEARS AGO ~あの頃のわたしに戻って vol.11

年末ですが。 10年前の今日のビルボード・チャートは こちら 。 75. Jamie Foxx feat. T.I. - Just Like Me 最高位:49位 スコア:9/10 Jamie FoxxとTaraji P. Hensonの演技合戦に目が行きがちだが、Tricky StewartとThe-Dreamによる控えめなアプローチの美しい旋律とトラックもまた素晴らしい。 82. Metro Station - Seventeen Forever 最高位:42位 スコア:1/10 申し訳ないが、これは耐えられない。 91. Avant - When It Hurts 最高位:91位 スコア:6/10 なぜトラックがこんなにスカスカなのか......。 93. Ne-Yo feat. Jamie Foxx & Fabolous - She Got Her Own 最高位:54位 スコア:9/10 "Miss Independent"の美しい続編。今思えば、Ne-Yoは10年前のR&B業界でも女性をリスペクトする術をちゃんと心得ていたし、リリックのテーマも他のR&Bアーティストの一歩先を行っていた。

The 100 Best Songs of 2018 (20位→11位)

Risky Alternativeが選ぶ2018年のベスト・ソング100曲。20位から11位まで。 20. Christine and the Queens - Doesn't matter Produced by Christine and the Queens 「もしも私が神を信じていたとしても、そして神が存在するのだとしても、そんなのどうでもいいことでしょ?」Heloise Letissierは短い髪と中性的なフェミニンさを身に纏った新たな人格Chrisとして、社会が押し付ける固定観念や限界に疑問を抱き、それを破壊しようとする。より勇敢にそして逞しく生まれ変わった彼女は、オールドスクールなリフが特徴的なこの曲で、男性のために完ぺきであろうとする女性のボディイメージの問題を指摘している。しかし、彼女の提示する解決策は残念なことに「逃げる」ことだけなのだ。ダンサーであり、シンガーであり、ソングライターかつプロデューサーである彼女は自身のトータルイメージをすべて自分でコントロールすることで、強い説得力を持って私たちに一つのメッセージを送っている。 19. Dijon - Nico's Red Truck Produced by Dijon Abhi//Dijonとして知られていたDijon Duenasは、2016年にメリーランドからロサンゼルスに移り住み、そこで感じたことすべてを音楽に込めようとしてきた。"Nico's Red Truck"は夏の終わりの郷愁を感じさせる。人は変わり続け前進し続けなければならないが、それでも昔を忘れないでいたいと願う。どんなに歳を重ねていっても、それでも自分が老いていくという事実には奇妙な感慨を憶えるものである。しかし悲しいかな、確実に見た目は変わっていくし、考え方も変わっていく。それでも大切な思い出は永遠になくさないでいたい。彼が切々と歌い上げる"Nico's Red Truck"は美しくも、そんなことを考えては胸が苦しくなる。 18. Drake - Nice For What Produced by BlaqNmilD & Murda Beatz Lauryn Hillの"Ex-Factor"の早

The 100 Best Songs of 2018 (30位→21位)

Risky Alternativeが選ぶ2018年のベスト・ソング100曲。30位から21位まで。 30. Lizzo - Boys ファンキーでアグレッシブなサウンド、要所要所でカウベルが鳴り響く"Boys"は、セックスに明け透けでオープンマインドな姿勢で自由を謳歌する「ヤバいビッチ」Lizzoのすべてが詰まっている。そしてLizzoは私たちにも多様性を愛し、自由に人生を楽しんでくれることを望んでいるのだ。Lizzoはプレイボーイからゲイボーイまであらゆる男性を歓迎している。3年前には完成したというこの曲は、2018年に登場すべくして登場した。宇宙はこう囁いたのだ。 「我慢しなさい、ビッチ。ここにいるすべての男子と女子を惹きつけてから、この曲を出しなさい」 29. Robyn - Missing U Produced by Joseph Mount, Robyn & Klas Ahlund 親しい人を失ったとき、失恋をしたときに、その人のことを思い出し恋しく思う気持ちは世界中のすべての人間に共通の感情であり、人生で乗り越えなければならない経験の一つである。Robynはこれまでも疎外感を悲しみをダンスポップへと昇華させてきたが、この曲で彼女はよりパーソナルな経験から自身の想いを打ち明けている。"Missing U"のサウンドはこれまでとは異なり、簡単には癒えない深い悲しみや喪失感が最後まで貫かれている。そこに残されたのは空虚さだけである。 28. Doja Cat - Mooo! Produced by Troy NoKA & Doja Cat Doja Catは牛である。「ミャオ」とは鳴かない。「ムー」と鳴く。この曲には何も意味がない?誰が音楽には確固たるメッセージが必要だと言った?少しは頭を冷やして休んではいかが?朝起きたら自分の服が牛みたいだと思ったという、大きな”気付き”がセクシーな牛ソングを生み出すこととなったわけだが、本当の愉快さはちょっとした不愉快さから生まれることをDoja Catは知っていた。たった5時間で完成したミュージックビデオはヴァイラル・ヒットを記録したわけだが、彼女は一夜にして突然成功を収めたわけではない。Doja Catは最高のソングライターであり、プ

The 100 Best Songs of 2018 (40位→31位)

Risky Alternativeが選ぶ2018年のベスト・ソング100曲。40位から31位まで。 40. BLACKPINK - DDU-DU DDU-DU Produced by Teddy Park, 24, Bekuh Boom & R. Tee これまで何年もかけて、業界全体で世界に勝負を仕掛けてきたK-POPの今年の繁栄っぷりは2018年を象徴する大きな出来事の一つだった。流行のトラップミュージックを、K-POPらしいやり方で恐れ知らずの勇敢なポップソングへと変貌させたこの曲には全く隙がなく、Fifth Harmonyの逆オマージュ的な余裕すらも感じさせる。彼女たちは既に準備ができている。 39. The Carters - APESHIT Produced by Pharrell Williams, Jay-Z & Beyonce 『Lemonade』と『4:44』で、それぞれのキャリアにおける高みに達した夫妻のコラボレーションは、トレンディで直情的でありながら細部まで計算し尽くされている。Migosがその存在を 忘れかけていた この曲は、頂点に立った二人の権威を見せつけるのに十分すぎるほどに獰猛である。Beyonceが自由自在に操るフローは彼女史上最高に無礼であり、それこそが私たちの求めていたBeyonceの姿なのだ。 38. Florence + The Machine - Hunger Produced by Emile Haynie & Florence Welch 彼女がこの曲で自身の摂食障害を始めて明かしたとき、彼女の妹に 「何年も認められなかったことなのに、ポップソングの中で言えちゃうのね?」 と言われたという。しかし彼女は自分の胸の内を打ち明け、感情を吐き出さなければいけなかった。そしてそのことが誰かを救うかもしれない。誰も完ぺきではなく欠乏感を抱え、孤独に苦しんでいる。それでも愛を求め続けるのだ。 37. Lil Peep - Life Is Beautiful Produced by IIVI & Smokeasac Lil Peepが残した、真摯で率直なメッセージに胸が痛む。勿論、彼は人生の矛盾や負の側面に気付いている。しかしそれでも、雑念を振り払い皮肉交じ

The 100 Best Songs of 2018 (60位→41位)

Risky Alternativeが選ぶ2018年のベスト・ソング100曲。60位から41位まで。 60. Pistol Annies - Got My Name Changed Back Produced by Eric Masse, Glenn Worf & Frank Liddell 59. Snail Mail - Heat Wave Produced by Jake Aron 58. Panic! At The Disco - High Hopes Produced by Jake Sinclair, Jonas Joberg & Jonny Coffer 57. Noname feat. Smino & Saba - Ace Produced by Phoelix 56. Amen Dunes - Believe Produced by Chris Coady 55. Ariana Grande - breathin Produced by Ilya Salmanzadeh 54. Nao - Another Lifetime Produced by GRADES & STINT 53. Tove Styrke - Sway Produced by Elof Loelv & Joe Janiak 52. The 1975 - Love It If We Made It Produced by George Daniel & Matthew Healy 51. Teyana Taylor - Rose In Harlem Produced by E*Vax, Boogz, Mike Dean & Kanye West 50. Zedd feat. Maren Morris & Grey - The Middle Produced by The Monsters & Strangerz & Zedd 49. CupcakKe - Duck Duck Goose Produced by Def Starz 48. Valee feat. Jeremih - Womp Womp P

The 100 Best Songs of 2018 (80位→61位)

Risky Alternativeが選ぶ2018年のベスト・ソング100曲。80位から61位まで。 80. SG Lewis & Clairo - Better Produced by SG Lewis 79. Ciara - Level Up Produced by J.R. Rotem 78. 2 Chainz feat. YG & Offset - PROUD Produced by T-Minus 77. Travis Scott feat. Philip Bailey, Kid Cudi, Stevie Wonder & James Blake - STOP TRYING TO BE GOD Produced by Travis Scott, CuBeatz, Mike Dean & JBeatzz 76. Perfume - Let Me Know Produced by Yasutaka Nakata 75. 6LACK feat. J. Cole - Pretty Little Fears Produced by T-Minus 74. Brockhampton - 1999 WILDFIRE Produced by Q3, Joba, Kevin Abstract, bearface & Romil Hemnani 73. Sade - The Big Unknown Produced by Aaron Taylor Dean, Ben Travers & Sade 72. BlocBoy JB feat. Drake - Look Alive Produced by Tay Keith 71. Khalid & Normani - Love Lies Produced by DIGI & Charlie Handsome 70. Nipsey Hussle feat. YG - Last Time That I Checc'd Produced by Kacey Khaliel, Brody Brown, Larrance Dopson & Mike N Keys 69. C

The 100 Best Songs of 2018 (100位→81位)

Risky Alternativeが選ぶ2018年のベスト・ソング100曲。100位から81位まで。 100. Maroon 5 feat. Cardi B - Girls Like You Produced by Cirkut & Jason Evigan 99. Lil Baby & Gunna - Drip Too Hard Produced by Turbo 98. IU - BBIBBI Produced by Son Myung-gab 97. Sigrid - Strangers Produced by Martin Sjolie 96. GASHI feat. French Montana & DJ Snake - Creep On Me Produced by Cirkut & DJ Snake 95. Tobi Lou feat. Smino - Troop Produced by Heaven In Stereo, Yugi boi, Juice Bangers, Krs Maximilian500, Charlie Handsome & Ordnry Yngstr 94. Christina Aguilera feat. Ty Dolla $ign & 2 Chainz - Accelerate Produced by Da Honorable C.N.O.T.E., Charlie Heat, Mike Dean, Kanye West & Che Pope 93. Hop Along - How Simple Produced by Hop Along & Joe Reinhart 92. Vince Staples feat. E-40 - FUN! Produced by Kenny Beats & Hagler 91. C. Tangana - Bien Duro Produced by DVLP 90. Taylor Swift - Delicate Produced by Max Martin & Shellback 89. Jeremih & Ty

THROWBACK TO 10 YEARS AGO ~あの頃のわたしに戻って vol.10

記念すべき10回目の企画は、Britney Spearsの『Circus』がアルバムチャートに初登場した記念碑的週である。 10年前の今日のビルボード・チャートは こちら 。 03. Britney Spears - Circus 最高位:3位 スコア:9/10 「世の中には二つのタイプの人間がいる」・・・ひれ伏すしかない。 19. Akon feat. Colby O'Donis & Kardinal Offishall - Beautiful 最高位:19位 スコア:7/10 thank u, next 70. Britney Spears - Shattered Glass 最高位:70位 スコア:8/10 アルバム曲でありながらランクインしたこの曲は、次作『Femme Fatale』への布石と言うべき斬新なダンス・ポップである。 85. Kenny Chesney with Mac McAnally - Down The Road 最高位:47位 スコア:4/10 86. Britney Spears - If U Seek Amy 最高位:19位 スコア:9/10 ”オーストラリアの音楽サイト「 Undercover.com.au 」は、5歳と7歳の子を持つ親の話として、「自分の子どもがF-U-C-K〜と歌いながら家の中を歩き回っているのを見た時、不意打ちを食らったかのように吃驚した。私が誰の歌なのかと子どもに訊ねたらブリトニーの曲だと答えました。私はゾッとしました。」というコメントを掲載した”(Wikipediaより)。Britney Spearsは天才なので。 88. The Ting Tings - That's Not My Name 最高位:39位 スコア:10/10 ポップカルチャー史に一生残るであろう、シンプルでエッジーな文字通りバンガーである。 90. Busta Rhymes feat. Ron Browz - Arab Money 最高位:86位 スコア:3/10 そう・・・・・・・。 94. George Strait - River Of Love 最高位:59位 スコア:2/10 95. Com

12/18/18: Risky Alternative's 20 Songs of the Week

・A$AP Rocky - Sundress ・AJ Tracey - Doing It ・Alessia Cara - Not Today ・Grimes - We Appreciate Power ・HMLTD feat. Xvoto.Delete - Flex ・Jax Jones feat. Years & Years - Play ・JID feat. J. Cole - Off Deez ・Kelly Clarkson - Never Enough ・Key Glock - Since 6ix ・Lil Peep - Life Is Beautiful ・Mark Ronson feat. Miley Cyrus - Nothing Breaks Like a Heart ・Red Velvet - RBB (Really Bad Boy) ・Roddy Ricch - Every Season ・Sam Fender - Poundshop Kardashians ・Takeoff - Casper ・Travis Scott - YOSEMITE ・Vera Blue - All The Pretty Girls ・Wanna One - Spring Breeze ・Young Thug feat. Gunna & Lil Baby - Chanel ・Yubin - Thank U Soooo Much

【ディーヴァな土曜日】Alessia Cara『The Pains of Growing』アルバム解説

"Here"がリリースされたとき、他の若手女性シンガーとは一線を画すクールでありながらエモーショナルな歌唱に心打たれ、Pop & Oakによる先鋭的なトラックに度肝を抜かれ、10代のアウトサイダーの気持ちを代弁したリリックに強く惹かれた。この曲があれまあれまと全米チャート入りし、ヒットを記録していく中でリリースされたデビュー・アルバムはいまだに産業化しているポップ・ミュージックの世界における彼女の立ち位置を定義しているように思えた。それは彼女が産業の味方でも評論家の味方でもなく、私たちの味方であるということだ。 Taylor SwiftとKaty Perryが支配していた2010年代前半のフィメール・ポップミュージック・シーンにおいて彼女の登場は新鮮に映った。インディーではなくメインストリームで勝負し、The WeekndやEd Sheeranが歌っても違和感のない作風で取り繕いながら、R&BプロデューサーPop & Oakとの強力なダッグを組んで彼女は誰とも違う「Alessia Cara」のサウンドを彼女は作り上げていたのだ。さらに彼女の歌う世界はよくある恋愛の話や多様性の尊重と言ったテーマを超越し、誰とも交われず疎外感を抱く私たちに「そのままでいいんだよ」とそっと背中を押してくれた。彼女のヴォーカルスタイルやそのテーマ性が、Dua LipaやDaya、Hailee Steinfeldに至るまで様々な女性アーティストの研究材料になっていたことは否定できないだろう。 ファーストアルバムのリリース以降、ZeddとのコラボレーションやLogicの"1-800-273-8255"への参加、ディズニーのテーマソング担当など、お茶の間に存在をアピールする仕事が続いている印象だったが、2018年のAlessia Caraはもっと地に足をつけ、より大局的な見地から自身がこれまで感じてきた痛みや苦しみを語っている。先行シングルの"Growing Pains"1曲とっても、安易にビッグ・ヒットを狙う姿勢が一切感じられないのは明白だが、彼女は自身のアーティストとしての立ち位置を再び微調整している。「私のこれまでの曲は全部、すごくメッセージベースだったし、もっとリスナーに向けられたものだったと

THROWBACK TO 10 YEARS AGO ~あの頃のわたしに戻って vol.9

年間ベストの季節だが、今日も私は暢気に10年前のヒット曲に耳を傾けている。 10年前の今日のビルボード・チャートは こちら 。 21. Kanye West feat. Lil Wayne - See You In My Nightmares 最高位:21位 スコア:6/10 たしかに、この季節は凍てつくような寒さである。 53. P!nk - Sober 最高位:15位 スコア:9/10 P!nkのキャリアにおいて重要な1曲であるように思う。DanjaとNo DoubtのTony Kanalがプロデュースを手掛けたロック・ポップの域を超えたサウンドは確実に彼女の新境地を切り開いている。それだけでなく、彼女の歌う依存症の複雑な心境は今日までアメリカが抱える社会の闇を完ぺきに表現しているし、これが10年前の曲であるという事実にもまた驚かされる。 62. The Veronicas - Untouched 最高位:17位 スコア:8/10 他のポップソングとは一線を画す個性的なソングライティングであるし、10年経った今でもバンガーである。 65. Ludacris feat. Lil Wayne - Last Of A Dying Breed 最高位:65位 スコア:7/10 飛ぶ鳥を落とす勢いだったLil Wayneのヴァースには思わず耳を奪われる。 79. The Pussycat Dolls - I Hate This Part 最高位:11位 スコア:5/10 犬とNicole Scherzingerのコントラスト。突然鳴り響く雷。夕焼けに降り注ぐ雨。Nicole Scherzingerご自慢の張り上げ歌唱。これみよがしなウィスパーヴォイス。 89. Kanye West feat. Young Jeezy - Amazing 最高位:81位 スコア:8/10 Kanye Westの二面性が如実に表れている。自分は間違っていると歌いながらも、メディアが「すごい」と絶賛する自分を演じ切る強さをも見せれるのが彼だった。真摯な姿勢。 98. Shinedown - Second Chance 最高位:7位 スコア:5/10 共感はしないが、理解はできる。

12/11/18: Risky Alternative's 20 Songs of the Week

・Anitta - Veneno ・CHAI - GREAT JOB ・City Girls feat. Lil Baby - Season ・CupcakKe - Dangled ・Dido - Hurricanes ・El Alfa feat. Cardi B - Mi Mami ・FREDO - BMT ・The Good, The Bad & The Queen - Merrie Land ・Gucci Mane feat. Kevin Gates - I'm Not Goin' ・Hozier - Movements ・J. Balvin - Reggaeton ・JENNIE - SOLO ・Khalid -  Better ・Lil Yachty feat. Playboi Carti - Get Dripped ・OrelSan feat. Damso - Reves bizarres ・Sade - The Big Unknown ・Tyga feat. Nicki Minaj - Dip ・XXXTentacion - BAD! ・The 1975 - Sincerity Is Scary ・ずっと真夜中でいいのに。 - ヒューマノイド

【2010年代の重要アーティスト】Arcade Fire、2010年代のベスト・ソング10曲

2010年代の重要アーティストを紹介していきます。 Arcade Fireの略歴 Arcade Fireは、カナダのインディーロックバンド。夫婦であるWin ButlerとRegine Chassagneの他、William Butler、Richard Reed Parry、Tim Kingsbury、Jeremy Garaからなるバンドである。2004年にリリースされたデビュー・アルバム『Funeral』が多くの批評家から絶賛されたことで大きな注目を集めた。2010年にリリースされた、通算3作目となるスタジオ・アルバム『The Suburbs』は批評家からの高い評価のみならず、商業的にも成功をおさめ、全米全英のアルバムチャートで首位を獲得している。また、2011年のグラミー賞では最優秀アルバム賞を受賞している。2013年にリリースされた通算4作目『Reflektor』は、LCD SoundsystemのフロントマンJames Murphyを共同プロデューサーに迎えており、こちらも全米全英の両チャートを制している。2017年には『Everything Now』をリリースしている。 Arcade Fireが重要な理由 Arcade Fireは2010年代、音楽批評家から絶賛されるインディー・バンドの枠を超えて、現代の北米を代表する最も重要なロックバンドへと変貌を果たした。大きな期待を集めて活躍してきたバンドも、その歩みを止めた瞬間にクリエイティビティを失ってしまうが、彼らは常に前に進み続け、音楽的なクリエイティビティを保ってきた。2000年代を代表する名作の1枚である『Funeral』での栄光を絶やすことなく、彼らは『The Suburbs』と『Reflektor』という傑作を次々と生み出すことにも成功した。この2作は商業的にも大きな成功をおさめ、グラミー賞の最優秀アルバムをも獲得したことで、彼らは現代の音楽シーンにおいて重要な位置を占めることになった。 そうでありながら、Arcade FireはWin Butlerの兄弟や妻が参加しているだけでなく、メンバー全員が皆長年の知り合い同士であり、それぞれが素晴らしいミュージシャンである稀有なバンドである。そして、ライブでの煌びやかでエモーショナルなスケールの大きなパフォーマンスも彼らのロックバンド

【ディーヴァな土曜日】Rita Ora『Phoenix』アルバム解説

実に6年ぶりの新作である。元ボーイフレンドのCalvin Harrisと制作していたアルバムの消滅、彼女を華々しいデビューへと導いた元レーベルであるRoc Nationとの法廷騒動、『フィフティ・シェイズ』シリーズでの女優業、『The X Factor』や『The Voice』、はたまた『America's Next Top Model』での審査員としてのキャリアといった混沌とした6年間を経て、彼女はついに不死鳥の如くこの音楽の地に降臨した。本当の自由を手にして。 変化の激しい現代において、6年というブランクの長さはハンディキャップにもなり得る。しかし、彼女はこの6年間沈黙していたわけではなかった。Roc Nationとの法廷騒動が始まる前にも"I Will Never Let You Down"や"Poison"といったヒット曲を次々に送り出していたし、超話題作『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』では女優として圧倒的にエアリーな存在感を見せつけていた。それでもレーベルの問題が明るみになっている間、彼女は自身の音楽をリリースすることができずにいた。その時のフラストレーションや怒り、落胆などが今作における彼女の最大のインスピレーションになっているのは間違いないだろう。Rita Oraは今年2月に『Billboard』に対して、新作は「感情のローラーコースター」になると語っていた。さらに『Clash』に対しては「たくさんのアップダウンがあった」とも語っている。「この業界は想像よりもずっと大きいってことを本当に思い知った。今でもコントロールされてしまうような出来事がたくさんあるしね」 今作でボーナストラック扱いとなっている楽曲"Soul Survivor"は、1年前からすでに存在が知られていた曲である。自身のレーベルとの闘いについて歌われたこの曲で、彼女は「失うものは何もない」と歌っている。「自分に全然自信がなくなっていたの。こう思ってた。『これからどうすればいいんだろう?』って」とRita Oraは『The Guardian』との当時のインタヴューで語っている。 Rita Oraはこの1年間、慎重に的確にシングルを定期的にシングルをリリースしており、実際に結果を生み出してきた。彼女

THROWBACK TO 10 YEARS AGO ~あの頃のわたしに戻って vol.8

私たちは気付く。10年前の音楽も振り返れば特別良い曲ばかりでもなかったことを。 10年前の今日のビルボード・チャートは こちら 。 28. The Fray - You Found Me 最高位:7位 スコア:8/10 UKのピアノ・バンドとアメリカのオルタナティブロックの奇跡の出会い 44. Nickelback - I'd Come For You 最高位:44位 スコア:4/10 ミュージックビデオはよかった。 68. Nickelback - Never Gonna Be Alone 最高位:58位 スコア:2/10 もはやカントリーソング。 89. Toby Keith - God Love Her 最高位:36位 スコア:1/10 極悪。 90. Ace Hood feat. Trey Songz - Ride 最高位:90位 スコア:5/10 Young JeezyとRick Rossに敬礼。T-Painのフックは奥ゆかしい。 92. Plies feat. Chris J - Put It On Ya 最高位:31位 スコア:7/10 No I.D.プロデュースとは思えないほどに軽やかなビートに、Pliesのギャングスタなラップが見事に融合している。 94. Musiq Soulchild feat. Mary J. Blige - IfULeave 最高位:71位 スコア:9/10 二人のこの素晴らしい歌声である。豆知識として、この曲にはブレイク前のMiguelがソングライターとして参加している。 100. Randy Houser - Anything Goes 最高位:92位 スコア:6/10 深みのある歌声には、まったく欠点がない。

12/04/18: Risky Alternative's 20 Songs of the Week

・A$AP Rocky feat. FKA twigs - Fukk Sleep ・benny blanco & Calvin Harris - I Found You ・boygenius - Me & My Dog ・Cardi B - Money ・Clean Bandit feat. Marina & Luis Fonsi - Baby ・Ellie Goulding feat. Diplo & Swae Lee - Close To Me ・Friendly Fires - Heaven Let Me In ・Jacquees - You ・Jennifer Lopez & Bad Bunny - Te Guste ・Lil Peep - Runaway ・Mitski - Washing Machine Heart ・The Neighbourhood - Paradise ・Steve Aoki feat. BTS - Waste It On Me ・Tancred - Something Else ・Too $hort feat. G-Eazy & The-Dream - Only Dimes ・TWICE - YES or YES ・XXXTentacion & Lil Pump feat. Maluma & Swae Lee - Arms Around You ・Yaeji - One More ・くるり - ソングライン ・宇多田ヒカル feat. XZT, Suboi & EK - Too Proud (L1 Remix)

【2010年代の重要アーティスト】ANOHNI、2010年代のベスト・ソング10曲

2010年代の重要アーティストを紹介していきます。 ANOHNIの略歴 ANOHNIは、本名をAntony Hegartyというイギリスのチチェスター出身のシンガーであり、作曲家であり、ヴィジュアル・アーティストである。2015年に活動を休止したバンドAntony and the Johnsonsのリードシンガーとして知られており、当時はAntonyという名前で活動していた。Antony and the Johnsonsとしては、2005年にリリースされたセカンド・アルバム『I Am a Bird Now』で批評的にも商業的にも成功を収める。また、このアルバムでマーキュリー賞も獲得している。2010年に通算4作目となる新作『Swanlights』をリリース、2012年にはライブ・アルバム『Cut the World』を発表している。2015年には新たなアーティスト名義ANOHNIでのソロ活動を始め、2016年にリリースされた初のソロアルバム『Hopelessness』は音楽批評家から絶賛された。同年にはオープンなトランスジェンダーとしては史上二人目となるアカデミー賞のノミネーションを「アカデミー歌曲賞」で受ける。 ANOHNIが重要な理由 ANOHNIが2000年代の段階で素晴らしいシンガー、そしてソングライターであったことに疑いの余地はない。代表曲である"Hope There's Someone"は2013年、Aviciiによって(ヴォーカルはLinnea Henrikssonによるものであるが)リミックスされ彼のアルバム『True』にも収録され、よりメインストリームな場所で彼女の音楽が聴かれることとなった。2000年代を代表するLGBTQアンセムであるHercules and Love Afairの"Blind"での神々しくも優しいヴォーカルは全く隙がない。 しかし2010年代、ANOHNIはより現代の社会問題に目を向け、深い考察を基に「真実」の歌を追い求める。2012年にリリースされた"Cut the World"のミュージックビデオでは、「フューチャー・フェミニズム」が描かれている。「基本となる前提は、自然の大変動がこのビデオので起きるようなイベントを次々と引き起こし

【ディーヴァな土曜日】Mariah Carey『Caution』アルバム解説

日本では、「7オクターブの歌姫」という通称が定着しているがこれは誇張であり、アメリカのメディアは「5オクターブの音域を持っている」と説明するのが普通である。よくわからないタイミングでボーイフレンドに飽きて破局し、再びヨリを戻すなどの一連の行為でメディアを賑わせた(『Metro』との最新インタヴューで彼女は「私はただロマンティックなタイプの人間なの」と語っている)かと思えば、ジェットスキーに乗ってステージに登場し、我々の度肝を抜く。自他ともに認める「クリスマスの女王」であるMariah Careyの"All I Want For Christmas Is You"は毎年のように全米チャートを賑わせてくれる。Jennifer Lopezのことは「知らない」と今でも言い放ち、アメリカン・アイドルで審査員を共に務めたラッパーNicki Minajとも対等にビーフを繰り広げる。それがメディアが追いかけたがるMariah Careyの姿である。 しかし、Mariah Careyが意図的に自分の個性を誇示する意味でのディーヴァな態度をメディアの前で披露しているとしても、彼女は決して「歌のうまい過去の人」ではない。自身も「あれは駄作よ」と語る主演映画『グリッター』を経て、2004年に『The Emancipation of Mimi』で再びポップ・ミュージックの頂点に立った彼女は、今に至るまで自分のスタイルをアップデートし続けてきた。『グリッター』のように悲劇的だった2016年の大晦日のパフォーマンスはたしかに失敗だったとしても、あの映画と同じくらい伝説的な出来事であり、少なくとも私たちの心に残るエンターテインメントを提供してくれた。そして2017年の大晦日、彼女は再び同じステージに立って彼女の代表曲である"Hero"を素晴らしい歌声で披露した。彼女はその瞬間に再びレジェンドとしてポップ・ミュージックの頂点に君臨し、2018年は素晴らしい年になることを私たちに約束した。そして彼女はこの新作でその使命を果たしている。 今作『Caution』は、先行シングル"GTFO"を手掛けたNineteen85や、"With You"を手掛けたDJ Mustardを筆頭に、No I.D.にShea Tayl