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11月, 2018の投稿を表示しています

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【ディーヴァな土曜日】不完全さを肯定するポップスター、Ariana Grande

Ariana Grandeはニコロデオンのアイドル的存在として2013年にデビューして以降、紆余曲折ありながらも実に珍妙なキャリアを歩んできた。そんな彼女はいまや最も重要なポップスターの一人である。単純に記録だけを見ても、先日リリースされた最新作『thank u, next』からの3曲がBillboard Hot 100でTOP3を独占するというThe Beatles以来の快挙も成し遂げている。 Ariana Grandeは他のポップスター達とは一線を画す、勇敢で、奇妙で愉快な、思慮深い人間味のあるポップスターである。この5年間、彼女は私たちに様々なことを教えてくれたが、その中で最も重要なメッセージは 「時に間違いを犯しても構わない。完璧でなくて良い。でも自分に正直であれ」 ということだった。 完璧を求められる女性ポップスター 女性のポップスターとして大成するには「完璧」でなければいけない、そう私たちは思い込まされてきた。それはMadonnaやBeyonceにしても、もしくは2010年代を代表するポップスターTaylor Swiftにしてもだ。常にヒット曲を出し続け、若々しいルックスを保ち、完ぺきなパフォーマンスをし、政治的社会的思想すべてにおいて尊敬できる行いをする「フルパッケージ」な存在であることがメインストリームで活躍する女性には求められてきた。もしも彼女たちがそこから一歩でも踏み外せば、途端に批判にさらされる。私たちはそんな例をいくつも見てきた。 そうしたフルパッケージなポップスターと一線を画すアーティストとしてRihannaが思い浮かぶかもしれないが、実は彼女こそ「完璧」なアーティストである。彼女には一切隙がない。「Rihannaを批判することで、逆にその人のブランドが傷つく、もしくは思考の浅はかさが露呈される」という次元にまで自分のブランドを構築してきたアーティストがRihannaである。では本当に「完璧」でなければいけないのだろうか。インディーでは、良いアルバムさえリリースできれば、完ぺきであることは求められない。メインストリームでの地位を確立したヒップホップ・アーティストにはむしろ完ぺきさが求められていない。その隙や弱さ、時に犯した過ちが逆にアーティストの魅力ともなり得る。 Ariana Grandeが2013年に、"T

THROWBACK TO 10 YEARS AGO ~あの頃のわたしに戻って vol.7

カントリー音楽大国アメリカの凄みである(助けて)。 10年前の今日のビルボード・チャートは こちら 。 13. Taylor Swift - White Horse 最高位:13位 スコア:7/10 そもそも、Taylor Swiftはおとぎ話を肯定していなかったのだとこの曲で気づかされた。 34. Guns N' Roses - Chinese Democracy 最高位:34位 スコア:7/10 Guns N' Rosesは偉大なので。 35. Nickelback - If Today Was Your Last Day 最高位:19位 スコア:3/10 Nickelbackがお説教? 43. Keith Urban - Sweet Thing 最高位:30位 スコア:7/10 初めてのデートはどんなものであれスウィートな想い出である。可愛い曲だ。 49. Taylor Swift - Forever & Always 最高位:34位 スコア:3/10 Joe Jonasとの別れについて歌った曲らしいが、たしかに彼には同情しない。 69. The All-American Rejects - Gives You Hell 最高位:4位 スコア:8/10 ポップだがパンクなアティチュードは、ティーンの心に響くものであり、2000年代最後のパンク版"You Get What You Give"的である。もちろん5 Seconds od Summerが彼らをお手本にしているのは明らかだ。 72. Taylor Swift - The Way I Loved You 最高位:72位 スコア:4/10 Carrie Underwood的なドラマチックなバラードだが、彼女はこのアルバムでグラミー賞の最優秀アルバム部門を受賞したの? 79. Taylor Swift - Fifteen 最高位:23位 スコア:8/10 共同プロデューサーがいるとはいえ、彼女一人でこの曲を書いたことには驚かされるくらいに自然体で叙述的でキラキラした曲である。たしかにポップソングとして完ぺきではないかもしれないが、そこにはカントリー音

11/27/18: Risky Alternative's 20 Songs of the Week

・Ariana Grande - thank u, next ・Asian Doll - First Off ・The Black Eyed Peas feat. CL - Dopeness ・Carly Rae Jepsen - Party For One ・Ciara - Dose ・Conan Gray - Crush Culture ・IZ*ONE - La Vie en Rose ・Jean Deaux - Work 4 Me ・Juicy J feat. Travis Scott - Neighbor ・Kali Uchis feat. Steve Lacy - Just A Stranger ・Kevin Garrett - In Case I Don't Feel ・L Devine - Nervous ・Meek Mill feat. Jeremih & PnB Rock - Dangerous ・RM - forever rain ・Shawn Mendes feat. Khalid - Youth ・Smino - L.M.F. ・Takeoff - Last Memory ・Thundercat feat. BADBADNOTGOOD & Flying Lotus - King of the Hill ・Trippie Redd - Topanga ・Vince Staples - FUN!

【2010年代の重要アーティスト】Anderson .Paak、2010年代のベスト・ソング10曲

2010年代の重要アーティストを紹介していきます。 Anderson .Paakの略歴 本名をBrandon Paak AndersonというAnderson .Paakは、カリフォルニア州オックスナード出身のミュージシャン・音楽プロデューサーである。Breezy Lovejoyという名前で2012年に『O.B.E. vol. 1』というアルバムでデビューしているが、2014年の『Venice』からは現在のアーティスト名で活動をしている。2015年にDr. Dreのアルバム『Compton』に抜擢され、重要な役割を担ったことで一般的な知名度・評価を一気に高めることになる。2016年にリリースされた『Malibu』で商業的な成功をおさめるとともに批評家からも絶賛され、グラミー賞のノミネーションも獲得する。ソロ活動の他にも、プロデューサーKnxwledgeとのコラボレーション・プロジェクトNxWorriesとしても活動している。また、彼はライブでThe Free Nationalsというバンドとともにパフォーマンスをすることが多く、さまざまなミュージシャンとコラボレーションを行っている。また、『アメリカン・アイドル』の出演者だったHayley Reinhartのドラマーを務めていたこともある。最新作『Oxnard』が今年11月16日にリリースされている。 Anderson .Paakが重要な理由 The WeekndやMiguel、Frank Oceanといったメインストリームでも成功を収めた新世代のR&Bシンガー達の括りに入れるには、Anderson .Paakの音楽は奇妙で風変わりな印象を私たちに与える。その音楽性をソウルと語るには、彼のヴォーカルスタイルはあまりにヒップホップである。実際に彼はラップもスムーズにこなすことができるわけだが。彼の大きなインスピレーション源にネオ・ソウルがあることは想像に難くないが、彼はインディーロック、エレクトロ、ダンス・ミュージックまで様々な音楽から影響を受けてきたことを公言している。才能あふれるドラマーでもある彼のアーティスト名のドットマークは自身の「細部までこだわる」性質の現れであると語る彼だが、Dr. Dreにも認められたその音楽的なこだわりが、他のアーティストとは異なる彼のトレードマークとなってい

【ディーヴァな土曜日】Rosalía『El Mal Querer』アルバム解説

昨年、世界的に大ヒットしたスペイン語曲"Despacito"は(Justin Bieberも参加したリミックスの存在もあり)、全米チャートで14週連続で1位を獲得し、韓国のボーイバンドBTSの"Fake Love"で韓国語で歌いながら、全米チャートTOP10入りを果たした。コロンビア出身のShakiraがかつて英語で歌うことによってグローバル進出を果たした時代も今は昔、英語で歌うことは世界で注目されるのに必要なものではなくなってきている。現代の若者は、未知の言語のありのままを受け止めている。 2017年にデビューし、今年大きな注目を集めることとなったスペイン出身のシンガーRosaliaもまた、スペイン語で歌う若いシンガーであり、世界各国の若者からすでに大きな支持を集めつつある。『The Guardian』のAlex Petridisは、Rosaliaの登場について「英語でない何らかの言語で歌われたポップソングを、伝統的にノベルティ・ヒットの出処以上のものとしてはみなすことのできなかったイギリスのオーディエンスの終焉」と述べている。 英語で"Bad Loving"と言う意味のタイトルの11曲入りの新作『El Mal Querer』で彼女は、運命的な関係についての物語を語っていく。そしてその音楽は、スペインの伝統的な音楽フラメンコを引用しながらも現代的な音楽性とヴィジュアルの数々で私たちを魅了していく。ラテン・ビートや幅広いサンプリングを用いることで知られるBjorkとの共同制作経験もあるEl Guinchoをプロデューサーに迎えているほか、コレオグラファーにはKendrick Lamarと関わりのあるCharm La'Donnaを起用している。 もはやポップミュージックは画一的なものではなくなってきている。時にトレンドに目配せをしながらも自身のルーツに根差したものを作ることが最もクールなポップ音楽の形になりつつあるのかもしれない。「今の若い人たちは、フラメンコを何か昔のものと結び付けて考えたりはしない。クールなものだと思っているの」とRosaliaは『Pitchfork』に語っているが、彼女は自身の音楽を世界に届けることで私たちに未知のジャンルの探求の扉を開いてくれている。 彼

THROWBACK TO 10 YEARS AGO ~あの頃のわたしに戻って vol.6

ヒットチャートがなぜ重要なのか?それは、たとえそれが2年後だろうと、また10年後になろうと、「トレンド」と言った軽薄な単語の域を超えて確実に未来の音楽の潮流を形作っているからであって、現在の地点からそれを振り返ることにもまた意味があるのだ。 10年前の今日のビルボード・チャートは こちら 。 04. Kanye West - Heartless 最高位:2位 スコア:10/10 この曲をプロデュースしたNo I.D.は、この後Drakeのプロデュースに大きく関与し、2010年代のヒップホップ空気感を決定づけることになるが、その先駆けにあるのがこの"Heartlss"であることに誰も異論は唱えないだろう。この曲を制作していた当時、Kanye WestはJay-Zのためのビートを作っていたにもかかわらず、自身のアルバムのためにこの曲をキープしていたというが、まさにその価値はある時代の流れを変えた一曲であり、Kanye Westの悲痛な胸の内が窺い知れる。 12. Taylor Swift - You Belong With Me 最高位:2位 スコア:10/10 アメリカのスウィートハートとしての役割を演じきった初期のTaylor Swiftを代表するヒット曲は、完ぺきな物語設定、完ぺきなソングライティング、歌い上げることはせず親近感を皆に抱かせる完ぺきなヴォーカルが奇跡の融合を遂げている。性悪なチアリーダーと、ナードな女の子を両方自分で演じたこのミュージックビデオでは、シンデレラストーリーと夢を世界中のティーンの女子に提供している。 34. Paramore - Decode 最高位:33位 スコア:9/10 確変後のParamoreばかりをつい称賛しがちだが、エモ・バンドとしての彼女たちの本領を発揮しつつ、Evanescenceのようなハードさを兼ね備えたこのサウンドは、Lil Uzi VertやLil Peepといった現在活躍するエモ・ラッパーたちの空気感にどう考えても影響を与えている。何よりもHayley Williamsのこのヴォーカルは現在のポップミュージックシーンでも比類のないレベルにすでに到達している。 67. The Killers - Spaceman 最高位:67位 スコア

11/20/18: Risky Alternative's 20 Songs of the Week

・Billie Eilish - when the party's over ・BoA - Woman ・C. Tangana & Becky G - Booty ・Dave feat. Fredo - Funky Friday ・Empress Of - I Don't Even Smoke Weed ・GOT7 - Lullaby ・Ina Wroldsen & Alok - Favela ・Jevon - Paranoia ・Karol G & Anuel Aa - Culpables ・Kodak Black feat. Travis Scott & Offset - ZEZE ・Lauren Daigle - You Say ・Lewis Capaldi - Grace ・Maggie Rogers - Light On ・Major Lazer feat. Tove Lo - Blow That Smoke ・Mick Jenkins - Understood ・Sampha - Treasure ・Sheck Wes - Chippi Chippi ・Sigrid - Sucker Punch ・Summer Walker - Girls Need Love ・Yung Lean - Happy Feet

【2010年代の重要アーティスト】AlunaGeorge、2010年代のベスト・ソング10曲

2010年代の重要アーティストを紹介しています。 AlunaGeorgeの略歴 AlunaGeorgeは2009年に結成されたロンドン出身のエレクトロ・ミュージック・デュオであり、シンガーソングライターのAluna FracisとGeorge Reidから成るグループである。2012年にリリースされた"You Know You Like It"が注目を集めると、商業的なファーストシングル"Your Drums, Your Love"が全英チャートのTOP50入りする成功をおさめ、どちらも『Pitchfork』の「BEST NEW TRACK」を獲得する。その後、2013年には、BBCの「Sound of 2013」の2位を獲得し、Disclosureとのコラボレーション曲"White Noise"が全英チャートで最高位2位を獲得する大ヒットとなり、さらにデビューアルバムからのシングル"Attracting Files"は全英チャート17位を記録するヒットとなる。同年6月にリリースされたデビュー・アルバム『Body Music』は全英チャートで11位を獲得する。その後、Island RecordsからアメリカのInterscope Recordsに移籍したAlunaGeorgeは、2016年にセカンド・アルバム『I Remember』をリリースしている。 AlunaGeorgeが重要な理由 R&Bとインディー音楽が急速に接近した2010年代、その象徴としてFrank OceanやDrake、The Weekndなどの北米アーティストを成功例として挙げがちである。しかし、EDMからは大きく距離を置き、ガラージやアンビエントからの影響が色濃く感じられるエレクトロ・ミュージックとR&Bを融合させることで、キャリアの初期の段階でメインストリームでの成功と批評家からの高い評価を両立したイギリスのアーティストの貢献の大きさも忘れてはならず、その中でもAlunaGeorgeは特に顕著な存在だったと言える。 プロデューサーのGeorge Reidが大きな影響を受けていると公言しているThe Neptunesのミニマルなヒップホップサウンドとハウスミュージックを融合さ

【ディーヴァな土曜日】NAO『Saturn』アルバム解説

占星術には、"Saturn return"という現象があるという。これは、土星が元の場所に戻ってくるのに30年かかるという事実からくるもので、27歳から29,30歳くらいまで人間の成長に影響を及ぼすと言われており、「人生において何か大きなことが起きる」のだという。NAOは友人から聞いたこの話から着想を得てこの新作『Saturn』を完成させた。プレスリリースの中で、NAOは次のように述べている。「それって目覚めであったり成人になる感じなんだけどね。『20代を過ごして、この人間関係の中で何をしてきたんだろう?私はこの仕事の中で何をしてきたんだろう?』ってなったの。すべてを考え直し始めてしまうの。両親が教えてくれた古い事柄や自分の信じていた考えとかね。それって完全に脱皮するって感じだけど、痛みを伴うことでもある」 音楽批評家から高い評価を得たデビュー作『For All We Know』は、オルタナティブなエレクトロ・ミュージックと、自身の愛する90年代のR&Bミュージックからの影響を強く感じさせる作品であり、デビュー当時は素顔もあまり明らかにされていなかった謎に包まれたシンガーNAOがどういうアーティストかを定義する作品となっていた。彼女は日本のメディア『FNMNL』に次のように語っている。「私はコマーシャルなものとか、ポップミュージックカルチャーにはあまり洗礼を受けて来なかった。ここ最近の音楽を聴いていてソウルをあまり感じなかったので、そういったオルタナティヴな世界とポップ世界の二つの世界を融合させようとしていたんだと思う。ポップミュージックにソウルを取り戻したくて」 NAOはデビュー作のリリース後、世界中をツアーしながらも私生活では大きな変化を経験していたという。「キャリアは上がっていったんだけど、私生活は落ちて言ってたの」と彼女は『PRIDE』に語っている。彼女はさらに「私と同じくらいの歳の友人たちもみんな、同じような経験をしていた」と明かしている。さらに彼女は改めてミュージシャンとしての自分自身と向き合う必要にも迫られていた。「私は本当に、そんなにセックスをしていないし、それにね...ドラッグもしてないの!それに名声は私の求めていたものではなかった。その代わりにすさまじい疲労感と倦怠感に襲われていたの」 公私ともに違った

THROWBACK TO 10 YEARS AGO ~あの頃のわたしに戻って vol.5

調子が出ない、そんな日は誰にでもあるのだ。 10年前の今日のビルボード・チャートは こちら 。 11. Taylor Swift - You're Not Sorry 最高位:11位 スコア:5/10 ダウンロード時代にアルバム曲をいくつもHot100入りさせた当時のTaylor Swiftの人気を改めて垣間見れる。 84. Alan Jackson - Country Boy 最高位:49位 スコア:2/10 「カントリー・ボーイ」は口説き文句として最適なのですか?(シンプルな疑問) 86. Ludacris Co-Starring T-Pain - One More Drink 最高位:24位 スコア:5/10 ミニマムなトラックに乗せて、「飲み過ぎ」はとんでもない過ちを侵す引き金になると警告する社会派ユーモアソングである。 89. David Archuleta - Angels 最高位:89位 スコア:3/10 辛口審査員Simon Cowellはこの曲が最高のポップソングの一曲だと言っていた。こちらからの報告は以上。 96. Nickelback - Something In Your Mouth 最高位:96位 スコア:2/10 オーケー、落ち着いて。 99. 3OH!3 - Don't Trust Me 最高位:7位 スコア:6/10 少なくとも個性的ではあるし、これはナードがメインストリームに殴り込みをかけるのに最良のブレイクの方法かもしれない。 100. Usher - Trading Places 最高位:45位 スコア:8/10 まるでPrinceのような濃厚なR&Bスロウとロックの融合であり、The-Dreamらしいキャッチーなフックとヒップホップのエッセンスがある。そしてUsherのヴォーカルは完ぺきであり、熱い抱擁を交わす最高のセックスを表現している。

11/13/18: Risky Alternative's 20 Songs of the Week

・Amber Mark feat. DRAM - Put You On ・Ava Max - Sweet but Psycho ・Bhad Bhabie feat. YG - Juice ・Dua Lipa & BLACKPINK - Kiss and Make Up ・Free Nationals feat. Daniel Caesar & Unknown Mortal Orchestra - Beauty & Essex ・Gucci Mane feat. Lil Pump - Kept Back ・Joji - TEST DRIVE ・LANY - Malibu Nights ・Lil Peep - Cry Alone ・Loyle Carner feat. Jordan Rakei - Ottolenghi ・Luis Fonsi & Ozuna - Imposible ・Maxwell - Shame ・MOMOLAND - BAAM ・No Rome feat. The 1975 - Narcissist ・Pistol Annies - Got My Name Changed Back ・Post Malone & Swae Lee - Sunflower ・Queen Naija - Mama's Hand ・Young Thug feat. Elton John - High ・Zara Larsson - Ruin My Life ・6 LACK feat. J. Cole - Pretty Little Fears

【2010年代の重要アーティスト】Alessia Cara、2010年代のベスト・ソング10曲

2010年代の重要アーティストを紹介していきます。 Alessia Caraの略歴 本名をAlessia CaraccioloというAlessia Caraは、カナダのオンタリオ州ブランプトン出身のシンガーソングライターである。イタリアのカラブリア州をルーツに持つ家族の下で育った彼女は、イタリア語も話すことができる。13歳の頃から自身のYouTubeにカヴァー動画を投稿し続けていたところ、2014年にUniversal MusicグループのEP Entertainmentの目に留まり、マネジメント契約を手に入れる。Def Jamからデビュー・シングル"Here"が2015年にリリースされると、アンチ・パーティーソングとして、さまざまなメディアから高い評価を獲得するなど徐々に注目を集め、結果的に全米チャートで最高位5位を獲得する大ヒットになる。2015年にリリースされたデビュー・アルバム『Know-It-All』は全米チャート最高位9位を獲得し、プラチナディスクを獲得している。その後も、Zeddの"Stay"やLogicの"1-800-273-8255"などのコラボレーション楽曲がヒットを記録する。2018年にはグラミー賞の最優秀新人賞を受賞している。2018年11月30日に3年ぶりとなる新作『The Pains of Growing』がリリースされる。 Alessia Caraが重要な理由 Alessia Caraは2010年代の女性ポップスターのあるべき新たな像を示している。パーティーにいながら実は居心地の悪い思いをしているアウトサイダーの気持ちを歌ったデビュー・シングル"Here"は、Portisheadも引用したIsaac Hayesの"Ike's Rap II"を大胆にサンプリングした先鋭的な楽曲でありながら、その曲のテーマが多くのティーンの共感を集めて大ヒットを記録した。 メインストリームで活躍する女性ポップアーティストたちは、「ポップで分かりやすい曲を歌う華やかなスター」という印象を持たれがちだが、Alessia Caraはその慣例を鮮やかに打ち破った。彼女の登場以降、Katy PerryとTaylor Swift以降の女性

【ディーヴァな土曜日】Robyn『Honey』アルバム解説

ポップミュージックの歴史に残る傑作『Body Talk』から約8年、彼女は沈黙をしていたわけではなく、RoyksoppやLa Bagatelle Magiqueなどとの意欲的なコラボレーションEPをリリースするなど彼女は「自分を探求するための」活動を続けていた。しかし、彼女はついにソロ・スタジオ・アルバム『Honey』を引っ提げて帰ってきた。そしてそこにあるのは、「赤裸々な感情」といった単純な語彙になど置き換えることなどできない、深く暗い悲しみからの脱却の過程であり、彼女にしか語ることのできない「神聖な体験」から得られた感情の塊である。 "Honey"、つまりハチミツの質感はかなり複雑である。それは甘い体験であれ、その粘着性であれ、その優しさであれ、官能的なまでに五感に突き刺さる。Robynは『OUT』に対して、この新作のタイトルを『Honey』と名付けた理由について次のように語っている。「みんないつも愛する人にハニーっていうのを好むでしょ。この言葉にはすごくたくさんの意味があるんだけど、同時に何も意味がない言葉でもある。しかも、実態は素晴らしく甘くておいしくて、それと同時になんか変な感じがするでしょ。つまり私達が食べているものは動物が作ってるもので、さまざまな宗教の中で使われてきた神話的な物質なわけでね。だから神秘的であり日常的なものでもあると私には思えたの」 Robynは、いまやカルト的なポップスターであることが知られている。彼女の失恋の体験を基にした素晴らしい曲の数々、それは"Dancing On My Own"であれ、"With Every Heartbeat"であれ、典型的なゲイアンセムとは異なる神聖な喜びと悲しみをダンスフロアに共存させる。「私は本当にダンスをするのが楽しいのよ。子供のころからね」と彼女は『Noisey』に語っている。そして、Princeが映画『バットマン』のために制作したサウンドトラックと、Kate Bushが『Hounds of Love』がそんな彼女を形作ることになる。「特別な感じに、私をロックする音楽が大好きだったの。学校から家に帰ってくると、両親が帰ってくる前によくしていたことがあってね。それがリビングで音楽をかけて踊ることだった」と彼女は語っている。音楽に

THROWBACK TO 10 YEARS AGO ~あの頃のわたしに戻って vol.4

10年前の今日のビルボード・チャートは こちら 。 82. Adele - Chasing Pavements 最高位:21位 スコア:9/10 この曲は6ヵ月付き合っていた彼氏が浮気をしていたことを知り、彼のいるバーに行き、顔にパンチをくらわしたときの心情にインスピレーションを得た曲である。すでに素晴らしい歌声であることに異論はない。 87. Kings Of Leon - Sex On Fire 最高位:56位 スコア:10/10 近年のロックにかけているセクシーさを取り戻したのは、皮肉にもナッシュビルの田舎町から世界へと羽ばたいた彼らだった。 89. Billy Currington - Don't 最高位:52位 スコア:4/10 「どーーーーーーーーん」「やっぱり別れましょう」 91. Enrique Iglesias - Lloro Por Ti 最高位:91位 スコア:3/10 珍妙なキャリアを歩むEnrique Iglesiasの道の途中に存在する、ラテン・バラード。 95. Lifehouse - Broken 最高位:83位 スコア:6/10 Jason Wadeは基本的に一人で曲を書く。しかも友人のために個人的な思いを乗せて。しかし、ラジオは彼らを求め続けた。批評メディアは決して触れようとしない幾多あるオルタナティブ・ロックバンドの中で、2000年代を駆け抜けることのできた偉大なバンドの素朴な理由がここにある。 97. Pleasure P - Did You Wrong 最高位:90位 スコア:4/10 ミュージックビデオでは若かりし頃のMichael B. Jordanが見れるという雑学が、こうしてまた一つ増えた。 99. Blake Shelton - She Wouldn't Be Gone 最高位:43位 スコア:1/10 「気持ち悪い節回しや息遣いで歌うな(意訳)」と批判されていた。 100. Zac Efron & Vanessa Hudgens - Can I Have This Dance 最高位:98位 スコア:2/10 あまりに回り続けているので、こっちが目が回ってきて曲に集中できなか

11/06/18: Risky Alternative's 20 Songs of the Week

・Anderson .Paak feat. Kendrick Lamar - TINTS ・Ariana Grande - breathin ・Bad Bunny feat. Drake - Mia ・Bazzi feat. Camila Cabello - Beautiful ・Blood Orange feat. A$AP Rocky - Chewing Gum ・The Breeders - Spacewoman ・Disclosure - Where Angels Fear To Tread ・G Herbo feat. Southside - Swervo ・GWSN - Puzzle Moon ・IU - BBIBBI ・Jay Park - Sexy 4 Eva ・Jay Rock feat. Jeremih - Tap Out ・KAIIT - OG Luv Kush p.2 ・Lil Baby x Gunna - Drip Too Hard ・Mariah Carey - With You ・Phora feat. 6LACK - Stuck In My Ways ・Robyn - Honey ・T.I. feat. Yo Gotti - Wraith ・Thom Yorke - Suspirium ・Tom Misch feat. De La Soul - It Runs Through Me

【2010年代の重要アーティスト】Alabama Shakes、2010年代のベスト・ソング10曲

2010年代の重要アーティストを紹介しています。 Alabama Shakesの略歴 Alabama Shakesは2009年にアラバマ州アセンズで結成されたブルースロック・バンドである。リードシンガーであり、ギタリストのBrittany Howard、ギタリストのHeath Fogg、ベーシストのZac Cockrell、ドラマーのSteve Johnsonから成る。2012年にリリースされたデビュー・アルバム『Boys & Girls』は音楽批評家から高い評価を受け、アメリカだけでも100万枚以上を売り上げるヒットとなる。さらに2015年にリリースされた通算2作目『Sound & Color』でより幅広い層の注目を集めることとなり、全米アルバムチャートBillboard 200で初の1位を獲得する。さらに翌年のグラミー賞ではリードシングルの"Don't Wanna Fight"がロック部門で2部門を受賞したほか、受賞は逃したもののアルバム自体も最優秀アルバム賞にノミネートされる。 Alabama Shakesが重要な理由 Brittany Howardがステージに立ち、唸り声をあげた瞬間、唯一無事のロックンロールがそこに生まれる。彼女のヴォーカルはAretha Franklinのようなパワフルな女性ソウルシンガーの枠を軽く飛び越えて、時にブルースのスタンダードをカヴァーするLed Zeppelinのような響きすら感じさせる。しかも、彼女はその圧倒的な歌声を武器に、地元の高校で出会った白人ミュージシャンたちとともに地に足の着いた活動を続けている。このことが、Brittany HowardならびにAlabama Shakesを現代の音楽業界において、典型的なガレージロックもしくはレトロなソウル路線の箱に閉じ込められることなく、メジャーなバランス感覚も持った愛すべきバンドという稀有な存在にしているのだ。 彼女たちは『Boys & Girls』と『Sound & Color』というたった2枚のアルバムだけで、2010年代を代表するバンドへと成り上がった。それは、さもしい音楽批評家からの高い評価のみならず、米英両国で2作ともTOP10入りを果たしていることからもうかがえる大衆人気によって成し

【ディーヴァな土曜日】Empress Of『Us』アルバム解説

Empress Ofは、もっと友好的な態度で私たちと繋がろうとしている。ポップでありながら先鋭的なデビューアルバム『Me』から3年、その間にBlood Orangeとのコラボレーション曲"Best To You"で大きな注目を集めた彼女は、もっとポップでユニバーサルなモードに切り替わっている。今作のタイトルは『Us』だ。 『London In Stereo』とのインタヴューの中で、Empress OfことLorely Rodriguezは次のように語っている。「このレコードには、みんなと一緒に分かち合いたい話がもっとたくさんある。ある面においては私をプレッシャーから解放し、お互いに考えを交換したりもする。だから『Us』なのよ」 デビューアルバムのような繊細な感情、葛藤や苦悩、複雑なアプローチの数々はここには存在しない。彼女は何も包み隠さず、よりオープンで自信に満ちた態度で私たちに語り掛けてくる。彼女の視野は圧倒的に広がっており、メンタルヘルスや鬱の問題から、愛や嫉妬の物語まで様々な感情を歌っている。それらすべてを含めての『Us』なのだ。 今作では、これまでのコラボレーターであるDev HynesやDJDSがソングライターやプロデューサーとしても参加している。「Empress Ofのアルバムとしてのエッセンスを残すことには成功したと思う。私のアルバムだって感じるしね。これらのコラボレーションは全部、この物語の一部分であり、私がアーティストとして成長する物語の一部分だって感じがするの」と彼女は『Stereogum』に語っている通り、今作はよりポップなサウンドに変貌を遂げながらもあくまでもEmpress Ofらしさを保ったものになっている。 一方で彼女はFatima YamahaやBlack Madonna、Ariana Grandeまで幅広い音楽が今作に影響を与えていると語っている。「『Sweetener』はすごく良い。このアルバムを作っている間に、たくさんAriana Grandeを聴いたの。彼女がPharrellとやっていたのもすごく気に入った。彼女のファンたちは『何これ?こんなのAriana Grandeじゃない!』って感じだったと思うけど。アーティストがリスクを取るのって好きよ。特にポップアーティストがね」 今作に

THROWBACK TO 10 YEARS AGO ~あの頃のわたしに戻って vol.3

この企画は様々なことを私に思い出させてくれる一方で、新たな発見もある。まだまだ私には知らない音楽の世界がたくさんあると思い出させてくれる。 10年前の今日のビルボード・チャートは こちら 。 09. Taylor Swift - Fearless 最高位:9位 スコア:6/10 「なぜかわからないけどあなたといると、最高のドレスを着て嵐の中踊ってしまうくらいに恐れ知らずになれる」という歌詞だけで、彼女がなぜこんなに愛されていたか理解できてしまう。 38. T-Pain feat. Chris Brown - Freeze 最高位:38位 スコア:6/10 T-Painは何よりも最高のメロディーメーカーであり、非常にクリエイティヴな才能を発揮していた。Chris Brownと二度目のコラボレーションはこれくらい挑戦的だった方がよかったかもしれない。 44. 50 Cent - Get Up 最高位:44位 スコア:5/10 Ja Ruleへのつまらない嫌がらせを続けている50 Centと違って、プロデューサーのScott Storchは破産を乗り越え、新たな一歩を踏み出し、最近は積極的に音楽プロデュース活動を再開している。 66. Brad Paisley Duet With Keith Urban - Start A Band 最高位:55位 スコア:7/10 バンドを始めることは、みんなの夢である。二人はカントリー界でも最高峰のギターの腕前を存分に披露し、アメリカに夢を与えている。 72. Beyonce - Single Ladies (Put A Ring On It) 最高位:1位 スコア:10/10 これまでのBeyonceのやってることの延長線上のようで、全く違う斬新なビート。普遍的なメッセージ。歴史に残る偉大なミュージックビデオ。キャッチーなメロディー。すべてが伝説的である。 84. T-Pain feat. Ludacris - Chopped 'N' Skrewed 最高位:27位 スコア:9/10 全てが絶妙で、ちょっと贅沢なディナータイムのよう。 85. Mike Jones feat. Trey Songz & Twista