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10月, 2017の投稿を表示しています

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【ディーヴァな土曜日】不完全さを肯定するポップスター、Ariana Grande

Ariana Grandeはニコロデオンのアイドル的存在として2013年にデビューして以降、紆余曲折ありながらも実に珍妙なキャリアを歩んできた。そんな彼女はいまや最も重要なポップスターの一人である。単純に記録だけを見ても、先日リリースされた最新作『thank u, next』からの3曲がBillboard Hot 100でTOP3を独占するというThe Beatles以来の快挙も成し遂げている。 Ariana Grandeは他のポップスター達とは一線を画す、勇敢で、奇妙で愉快な、思慮深い人間味のあるポップスターである。この5年間、彼女は私たちに様々なことを教えてくれたが、その中で最も重要なメッセージは 「時に間違いを犯しても構わない。完璧でなくて良い。でも自分に正直であれ」 ということだった。 完璧を求められる女性ポップスター 女性のポップスターとして大成するには「完璧」でなければいけない、そう私たちは思い込まされてきた。それはMadonnaやBeyonceにしても、もしくは2010年代を代表するポップスターTaylor Swiftにしてもだ。常にヒット曲を出し続け、若々しいルックスを保ち、完ぺきなパフォーマンスをし、政治的社会的思想すべてにおいて尊敬できる行いをする「フルパッケージ」な存在であることがメインストリームで活躍する女性には求められてきた。もしも彼女たちがそこから一歩でも踏み外せば、途端に批判にさらされる。私たちはそんな例をいくつも見てきた。 そうしたフルパッケージなポップスターと一線を画すアーティストとしてRihannaが思い浮かぶかもしれないが、実は彼女こそ「完璧」なアーティストである。彼女には一切隙がない。「Rihannaを批判することで、逆にその人のブランドが傷つく、もしくは思考の浅はかさが露呈される」という次元にまで自分のブランドを構築してきたアーティストがRihannaである。では本当に「完璧」でなければいけないのだろうか。インディーでは、良いアルバムさえリリースできれば、完ぺきであることは求められない。メインストリームでの地位を確立したヒップホップ・アーティストにはむしろ完ぺきさが求められていない。その隙や弱さ、時に犯した過ちが逆にアーティストの魅力ともなり得る。 Ariana Grandeが2013年に、"T

10/29/17: Risky Alernative's Playlist

・Calvin Harris feat. Kehlani & Lil Yachty - Faking It "Faking It"は、Calvin Harrisの最新アルバム『Funk Wav Bounces Vol.1』からの最新シングルとなっている。KehlaniとLil Yachtyはこれが初めてのコラボとなる。また、Jessie Reyezがバックボーカルを務めている。 ・Camila Cabello feat. Young Thug - Havana "Havana"は来年リリース予定のデビュー・アルバム『The Hurting. The Healing. The Loving.』からのセカンド・シングル曲。この曲は、キューバ共和国の首都ハバナから来たバッド・ボーイに恋に落ちたことについて歌った曲となっている。Camila Cabelloはハバナのコジマールで生まれており、幼少期にアメリカに移住している。彼女は当時について、 「Popsugar」 に次のように語っている。「私はハバナで生まれて、7歳になろうとしていたときのことだったの。パパはメキシコ人で、私たちはハバナの熱気とメキシコ市のコンクリート・ジャングルの間を行ったり来たりしながら住んでいたの。当時私にはわからなかったんだけど、今はちゃんとわかっている。両親にとってこのことがどれほど怖いことに違いないことだったかってことをね」 さらに彼女は、「Beats1」の中で、Pharrellと曲を制作したことについて「正気じゃなかった」と語っている。「クレイジーだったわ。つまりね、私のエグゼクティヴ・プロデューサーのFrank Dukesと一緒にスタジオ入りしたの。Frank Dukesは素晴らしくてね、"Havana"では、私たちはヴァ―スを3回くらい書いていて、最後にPharrellと書いたの。私はほとんど彼をだましたようなもので、私のためのアドリブのトラックを作ってもらったの。だって始めに、彼はこんな感じのことを言ったんだもの。『これは君がやったら、超ドープなものになるだろうと思うよ。だって君は女性で、このラップ風のアドリブをやればドープだろうしさ』ってね。だから私は『じゃあ、私のために大枠を作ってくれない?』

Kelly Clarkson、「本当に痩せていた」時代に自殺を考えていた

Kelly Clarksonが、自身のイメージとの葛藤について明らかにしている。 Kelly Clarksonは 『Attitude』 誌のインタヴューの中で、彼女のキャリにおけるある期間、自殺を考えていたことを明らかにしている。 「私は本当に痩せこけていて、自殺したいと思っていたの」と彼女は語っている。「私は惨めだった。内面も外面も、私の人生における4年間に関しては。だけど誰も気にかけてくれなかった。見た目の美しさに関して言えば、何も問題ないわけだから」 彼女は重役からの「痩せていなければならない」という重圧を感じ、痩せていたその期間、ひどく不幸だったようだ。また、Kelly Clarksonはこれまでも体型に関して率直に語ってきたが、かつて自身の身体について極端に考え、絶えずワークアウトをしていたことを明らかにしている。 「私にとってはかなり闇の期間ね」と彼女は語っている。「唯一の逃げ道はやめることだった。膝と脚を壊しちゃったの。だって私はヘッドホンをしてひたすら走っていたからね。どんなときもジムにいたの」 2007年の『My December』をリリースした際に彼女はその習慣を変え、精神状態も変わり始めたと明かしている。 「『My Dacember』に"Sober"って曲があるんだけど」と彼女は語っている。「こういう一節があるの。"picked the weeds but kept the flowers(雑草は抜いた。だけど花はそのままにしておいた)" 私はこれに従って、自分の人生を生きているの。だって、あなたがあなた自身に一番近いんだからね」 「私の周りには本当に否定的な人たちが何人かいた。だけどたくさんの素晴らしい人達もいて、だから私はそこを抜け出すことができたの」と彼女は振り返っている。「進む方向を変えて、素晴らしい人達と向き合って、光の方向へ歩き始めたという一例ね」

10/22/17: Risky Alernative's Playlist

・Brett Eldredge - The Long Way   "The Long Way"は、Brett Eldredgeの通算3作目となる最新作『Brett Eldredge』からの正式なセカンド・シングルとなっている。Ross CoppermanとBrett Eldredgeの共同プロデュース曲となっている。彼はプレスリリースの中でこの曲について、「恋愛をしている中で自分が見つけたいものを覗き込んで見ていること」についての曲だと語っている。このミュージックビデオには、リアリティー番組『Duck Dynasty』に出演している女優Sadie Robertsonが出演している。 ・Charlie Puth - How Long "How Long"は、Charli Puthの来る新作『VoiceNotes』からのセカンドシングルとなっている。Charlie Puth、Jacob Kasher、DJ Frank Eの共作曲で、Charlie Puth自身がプロデュースを担当している。Charlie Puthは Ryan Seacrestとのインタヴュー の中で、この曲と1つ前のシングル曲だった"Attention"との類似性について語っている。「"Attention"のテーマは、「ベース」の効いた曲になっていることだった。それでこの曲は"Attention"のパクリみたいにはしたくなかったんだけど、リリック的には"Attention"のパート2みたいなとこがあるんだ。物語性においての話だけだけどさ。あとはみんなの解釈に任せようと思うよ」また彼は、 「Access Hollywood」 とのインタヴューの中で、この曲は自身がこれまで経験したことについての曲であり、パーソナルな曲だと語っている。 ・dvsn - Mood "Mood"は、リリースされたばかりのdvsnの最新アルバム『Morning After』からの楽曲となっており、音源はアルバムリリース前となる9月5日に公開されている。dvsnはネオソウル・ボーカリストのDaniel DaleyとプロデューサーNineteen85によるデュオであ

ビヨンセ・ザ・ラッパー(Pitchforkレビュー抄訳)

Beyonceがラップをするとき、彼女はいつも自慢をしている。ヴァ―スが自慢話ばかりなわけではないが、大抵そうだ。行動自体で示している。思い出させてくれる。彼女はラップができる、と。そう、彼女はもう1つ得意なことがあるのだ。Jay-Zはソングライターの殿堂入りを果たした初めてのラッパーとなったが、彼は影響を受けたラッパー全員のリストをツイートした後、次のように付け加えている。 「ラッパーのビヨンセもね!」  Beyonceはこれまでもずっとラッパーだった。しかし、全米Hot 100チャートで3位まで上り詰めた、J BalvinとWilliy Williamの"Mi Gente"に彼女が参加したリミックスにおいては、彼女のラップはこれまで披露してきた中でも栄光の絶頂に達している。 気持ちの上では、Beyonceは女帝であることをラップしてきた。Jay-Zとデュエットとデートを重ね、最終的に結婚するまでは。そして遺伝子を受け継いでると思われる少なくとも1人の子供を彼女は出産している(編注:BeyonceとJay-Zの娘である5歳のBlue Ivyが、Jay-Zの新作『4:44』でラップを披露していることを受けての一文)。彼女がヒップホップに精通していることは、ポップ・スターの激しい競争の中で有利に働いてきた。ラップがどんどん台頭していく音楽界の情勢において、彼女は主役の声を務めることができたのだ。やる気のないヒップホップ界の金持ちの周辺にいるR&Bスターから、本格的なラッパーへと彼女は成長を遂げ、徐々にポップ・ラジオのサウンドがシフトしていく一翼を担ってきた。 厳密に言えば、Beyonceはラップ・グループのメンバーとしてアメリカには紹介されていたのだ。1992年、Destiny's Childの前身であるGirls Tymeでは"Star Search"のラップカテゴリーで彼女達は繰り返し勝負をしてきた。ホストのEd McMahonが彼女たちを「ヒップホップなラップをするGirls Tyme"」と紹介しているビデオは、Beyonceのアルバム『Beyonce』収録のビデオの中でも見ることができる。実際、彼女たちは歌だけでなくラップもしていたのだ。 2001年にBeyonceは初めて演

Lana Del Reyの"Cola"は、Harvey Weinsteinについて書いている?

2012年にリリースされたLana Del Reyの楽曲"Cola"は、現在多くの女性への性的虐待で糾弾されている、ハリウッドの大物Harvey Weinsteinについて書かれたものである可能性があることが 「Page Six」 によって報じられ、海外の多くのメディアがこのニュースを報道している。 "Cola"がリリースされた際、"Harvey's in the sky with diamonds and he’s making me crazy/All he wants to do is party with his pretty baby"という歌詞が、「Genius」上に公開されていた。しかし、後に「Genius」の編集者が冒頭部分を"Ah, he's"に書き換えられており、iTunesにおける正式なブックレットにも"Ah, he's"と書かれていた。今回の報道はこのリリックと関係があるという。 「Page Six」によると、この曲で自身の名前が挙げられた際にHarvey Weinsteinが「怒り狂った」ために、圧力がかかり書き直されたのだという。 あるエンターテイメント業界の情報筋が「Page Six」に語ったところによると、当時Harvey WeinsteinはLana Del Reyに言い寄っていたらしいが、一方の彼女は「ボーイフレンドがいた」ため、「彼を拒絶した」のだそうだ。この曲はその経験を元に書いた曲であると考えられている。 一方で 「TMZ」 によって、「Lana Del Reyに近い情報筋」が"Cola"はHarvey Weinsteinの曲ではないと語っていることも数日前に報じられており、「Page Six」による報道の件との関連性が指摘されている。 Lana Del Reyは以前、 『Rolling Stone』 誌に対し、"Cola"の印象的なリリック"My pussy tastes like Pepsi-Cola"は、当時のボーイフレンドBarrie-James O'Neillにインスパイアされたものであり、スコットラン

Nicki Minaj、これまでのキャリアを振り返る

Nicki Minajが 『Dazed』 誌とのインタヴューに応じており、新作の完成が間近であることをほのめかしている。 「私の新時代は、"Anaconda"で成し遂げたことよりも何十億倍も壮大になる。この新作は私のこれまでのキャリアの中でも最も記憶と印象に残るものになるわ」と語っている。 Nicki Minajは連日新作に取り組んでいるようだが、「私は少しばかり多忙なの」と表現している。「朝の6時にスタジオに行く日もあれば、朝の6時までスタジオから出てこないことだってあるの」 「私はこの新作を最高のものにしようとしているから、発売日や締め切りすらも設けるつもりはない」と彼女は新作が完成する時期について述べている。「新作の進み具合が50%なのか、80%なのか、10%なのかに関してはなんとも言えない。明日には、スタジオに入って、この6ヶ月間やってきたことが全て気に入らないっていう決断をする可能性もあるべきだし。わからないところにこそ本当に素晴らしい美が存在するのよ。私は大きな期待の中でも今まで通りただスタジオに行って、制作をしたいだけ。わかる?そうやってただ楽しみながら、ミックステープに取り組んだりして前に進んで、私のちょっとした人生を作り上げてきたの。 また目が覚めて、スタジオから見える大西洋の夜景について彼女は「水がこんなにも私に大きな影響を与えてくれるとは思わなかった」と明かしている。「だけど、落ち着くの。きっと私にとって何かがあるのね。雨が降っているときでもバルコニーに出ると、見渡す限り水と空って感じでね。この世界において私は本当に小さな存在なんだって思えて、すごく感謝の気持ちになる。自分自身の奥深くへと入り込める感じがする」 Nicki Minajの初めてのミックステープ『Playtime Is Over』がリリースされて10年が経つが、女性ラッパーの頂点を極めた彼女は久々にこの作品を聴いたと語っている。「本当にたくさんのことに気づいたの」と彼女は明らかにしている。「はじめの段階でなぜみんなが私に惹かれたのかっていうのに気付かされた。自分自身とのああいう対話をする必要があったんだってね。私はまたそのことに気付いたの」 さらに彼女は10年間を振り返り、これまで自分の身に起きてきたことは一生に一度のものであり、「感謝し

Demi Lovato、最新作『Tell Me You Love Me』の全曲解説

Demi Lovatoの通算6作目となる新作『Tell Me You Love Me』が、9月29日についにリリースされている。 その前日にニューヨークで行われたリリースイベントの中で、Demi Lovatoは全曲解説を行っている。 『Billboard』 誌によって報じられた彼女のコメントを見ていこう。 "Sorry Not Sorry" 「この曲は私のお気に入りの1曲で、新作からのファーストシングルでもある。手始めに、私の音楽の楽しくてアップビートな面を見せようと思ったの。私のチームの多くの人たちは、ファーストシングルを違う曲にしたがっていたんだけど、私は"Sorry Not Sorry"を強く推したの。それにミュージックビデオの撮影も本当に楽しかった。この曲はそこら中にいるすべてのヘイター達に向けた悪びれないアンセムなの。基本的に言いたいことは、私は思うがままに、自分の人生を生きて幸せを選んでいくつもりだってことと、それについて謝る気はないわってことなの」 "Tell Me You Love Me" 「初めて聴いたとき、本当に動けなくなってしまったの。ちょうどそのとき、私は失恋を経験していたからね。本当に神経な関係が終わりを迎えるという儚さと、それによって辛い時期を過ごすということを歌っているの。それと同時に大きな誤解もしているの。"You ain't nobody 'til you got somebody"という一節でね。複雑な感情が伴った儚さから再び襲ってきた感情なの」 "Sexy Dirty Love" Demi Lovatoは、すべてのことがワクワクしてセクシーに感じる恋愛関係の始めの時期について歌っているとだけ語っている。 "You Don't Do It For Me Anymore" 「みんな違った風にこの曲を解釈するだろうし、それが音楽の美しさなの。あなたのやり方でこの曲と繋がってくれればいいの。ある人にとっては恋愛関係の終わりについての曲だろうし、ある人にとっては、ひどい行動をとっていた過去の自分自身に別れを告げる手紙みたいな曲だと思うかもしれない」 &quo